2014年12月27日

松ぼっくり図鑑 その1

紅葉も終わり、園内の落葉樹は葉を落としています。
常緑樹は冬も青々として、縁起のいいものとされています。
中でもお正月の縁起植物の代表格はマツ(松)です。
マツといっても、種類は様々で、特に当園は針葉樹のコレクションが多く、マツ科の植物だけでも80種類くらいあります。
マツ科には、モミ属(Abies)、トウヒ属(Picea)、カラマツ属(Larix)、イヌカラマツ属(Pseudolarix)、アブラスギ属(Keteleeria)、マツ属(Pinus)、トガサワラ属(Pseudotsuga)、ツガ属(Tsuga)、ヒマラヤスギ属(Cedrus)などがあります。
その一部の松ぼっくりをちょっとご紹介しましょう。
まず、マツ属のものから。最も皆さんがよく見かける、ふつうの松ぼっくり、この写真はアカマツPinus densifloraです。
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大きさがだいたいわかるように15cmくらいのボールペンを一緒に撮影してます。ただ、大きさは樹木の年齢や環境条件、個体差などでかなり変わります。
アカマツとよく似たものにクロマツがありますが、松ぼっくりはよく似ており、素人目にはあまりよく区別がつきません。また両者の交雑種もあり、松ぼっくりの形は似たりよったりです。
マツ属はPinusといいますが、英名はPine tree(パインツリー)といいます。果物のパイナップルは松かさに似ていてリンゴのような甘い美味しい果実なのでPineappleといいます。
森林植物園のマツ属の中で最も大きな松ぼっくりをつけるのが北米原産のダイオウショウ(大王松)P.palustrisです。種名は沼地を好むという意味です。
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大きなものでは20cm以上になり、葉も30cmくらいと長く、まさに大王の風格です。右の写真はダイオウショウの松かさの枝の付け根の部分で、おもしろいことに脱落するときに一部分の鱗片が剥がれ落ちるようで、えぐれたようになっています。
このダイオウショウによく似たものにエリオッティマツP.elliottiiというのがあり、松ぼっくりはやや小ぶりで、鱗片に照りがあります。こちらも北米原産のマツです。
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 ダイオウショウは松ぼっくりが約1年で脱落しますが、エリオッティマツは長く残留します。
 同じく、北米にはリギダマツP.rigidaとテーダマツP.taedaというマツが分布します。
 日本のマツは二葉または五葉のものが多いですが、北米産のダイオウショウ、リギダマツ、テーダマツ、エリオッティマツは三葉のマツです(エリオッティは二葉もあり)。
 リギダとテーダの交配種の松ぼっくりがこれです。この2種は鱗片の外側部分にきつい刺があり、この交雑種の松ぼっくりにも鋭い刺があり(右写真)、うっかり掴むとひどい目にあいます。
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 松ぼっくりが長細いストローブマツP.strobusも北米原産です。ヤニが多いのも特徴です。
 ストローブマツは柔らかい五葉のマツです。
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 マツの話は奥が深く、まだまだ種類もあります。また次の回でご紹介しますね。

posted by 森林植物園スタッフ at 15:57| 植物のお話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする