2018年08月22日

尾花の下の思い草

8月も後半に突入し、まだまだ高い気温の日が多いですが、涼しい日もあり、少しづつ秋の気配が感じられるようになってきました。


さくら園ではススキの根元に「ナンバンギセル(南蛮煙管)」が咲き始めました。

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スペインやポルトガルの人の使う煙管に形が似ていることからこの名がつけられたようです。


また、何か物思いにふけり頭を下げるように咲くその姿から「オモイグサ(思い草)」とも呼ばれます。

この花を歌った和歌が何首もあるようです。
少し和歌に目を通した感じ、恋人を思う姿になぞらえた歌が多いようです。(そもそも和歌はそういった内容のものが多いのかもしれませんが)

ナンバンギセルは寄生植物で、光合成で栄養素を作り出すための葉緑素を持たず、ススキやサトウキビやイネなどから栄養を奪って生きています。

当園ではススキ(尾花)の下に咲いています。

変わった形と色で観察する分には面白いですが、米やサトウキビなどの生産においては害草として扱われるそうです。



同じくさくら園で「ネナシカズラ(根無蔓)」も見られます。

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この植物もナンバンギセルと同じく寄生植物で、葉緑素を持ちません。

まるでラーメンのような不思議な姿をした植物です。
が、小さいというか、細い植物で写真に撮るのが難しいです。

当園ではヨモギなどに絡みついています。

ネナシカズラは種から芽生えたころは地面に自らの根をはって宿主を探してツルを伸ばしますが、宿主に絡みつくと元の根を失い、宿主の体へと根(寄生根)を挿し込んで完全に宿主から栄養を奪うようになります。

芽を出しても宿主を発見できなかったネナシカズラは数日で枯れてしまいます。


「寄生」というとどこか恐ろしい感じがしますが、植物や昆虫などの生物が生き残るためにたどり着いた戦略だと思うと何か感慨深いものがありますね。



台風が接近しています。
皆様、お気をつけてお過ごしください。
posted by 森林植物園スタッフ at 18:24| 本日の森林植物園 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする